帰国子女がいじめられる【3つの原因】|親が予防できます

帰国子女
帰国生の親
帰国生の親

あと少しで日本に帰国することになったけど、子供がいじめられないかが心配。
帰国子女がいじめられやすいって本当なのかしら・・・。

のまさん
Noma

こんにちはNomaです。

私は3歳から15歳までアメリカで過ごした元帰国子女です。

帰国生はよくも悪くも目立ってしまいます。

しかし帰国生が入学する前に立ち振舞いについて親子間で話しておくことにより、

事前にいじめを予防をすることは十分可能です。

今回は帰国生がいじめられる原因から予防策を考えていきましょう。

なぜこの記事を書いたのか

私がこの記事を書く理由はたったひとつで、私の妹や友人のような辛いイジメの経験を帰国生にしてほしくないからです。

妹がイジメられている時、同時に両親も深く悲しんでいました。
「なぜ、帰国子女というだけでいじめられないといけないのか」と。
私の妹は強かったので泣きながらも学校に行っていました。
運良く心を病んでしまったり、自分を死に追い込んだりしなかったものの、一歩間違えればその事態になりかねませんでした

「少しでもそんな帰国生とそのイジメに悩む親を減らしたい。」そんな強い想いでこの記事を書いています。

帰国子女がいじめられる原因

いきなり結論から話をしてしまうと、帰国子女がいじめられる大きな原因は3つあります。

★帰国生がいじめられる3つの原因
①自慢に捉えられる言動をしてしまう
②空気が読めない
③先生を敵に回す

この原因の根拠はすべて私自身と私の妹、私の友人たち(帰国生)の経験からです。
私は幸運にもイジメというイジメはありませんでしたが、クラスメイトに嫌味を言われたりしたことは少なくありません
そして、残念ながら私の妹と友人に関しては激しくいじめられた過去があります。
大人になってから冷静になぜ当時、いじめられてしまったのだろうと詳しく彼女らと一緒に考えたところ、上記3つの原因に辿り着いたのです。

それでは解説していきます。

①自慢に捉えられる言動をしてしまう

多くのイジメきっかけの原因はこれです。

たとえ自慢をしようと思わずに言ってしまったことでも、日本人がそれは自慢だと捉えられているケースが多くあります。

海外では普通の会話であっても、日本では自慢と捉えられる可能性があることを忘れてはなりません。

例えば、自分の子供が自己紹介をするときに「海外では自宅の庭でよくサッカーを友達としていたので得意です」と何気なく言ってしまったとしましょう。
海外は日本ほど土地代が高くないですし、人口密度も少ないので十分な広さの庭があることがほとんどです。
しかし、これを日本人が聞くとどうでしょう

日本でサッカーができる庭の広さがある家は「大豪邸」もしくは「田舎」のどちらかです。ただなぜか帰国子女は金持ちというイメージが持たれがちなので、「大豪邸に住んでいる金持ちいけ好かない」というイメージにつながってしまいます。

このように、帰国生が当たり前と思っていることは、あくまでも海外では当たり前のことであって、日本での当たり前でないことを理解しておかなければ、ふとした言動でひんしゅくを買いイジメに発展することがあります。

私の経験|バイオリンでひんしゅくを買う

過去このケースと似た過ちをおかしてしまい、ひんしゅくを買ったことがあります(イジメられはしませんでしたが)
私が通っていたアメリカの学校では選択必修授業があり下記から絶対に1つは授業を選ばなくてはなりませんでした。
・吹奏楽
・オーケーストラ
・コーラス

オーケストラを選択した私はバイオリンが弾けるのですが、「バイオリンを弾けること」をふとした時に話してしまったのです。
すると「あーやっぱりNomaって金持ちなんだ〜」少し白い目で見られたので、慌てて「授業の一環で」と付け加えて説明しました。

こちらに悪気がなくても、ちょっとした説明不足で余計なひんしゅくを買うケースがあることを忘れてはなりません。

友人の経験|知識でひんしゅくを買う

これは実際に友人が自慢と捉えられてひんしゅくを買った話です。
私の友人が社会の授業を受けている時、アメリカの独立戦争の話になりました。
その時、ついアメリカの修学旅行で行ったウィリアムズバーグの話やその時に学んだ知識を話してしまいました。
すると反応は「よくそんなこと知ってるね!すごいね!」ではなく、何。なんかちょっと嫌な感じ。」という反応を浴びてしまい、そこからクラスから少し浮いてしまったのでした。
自分が持っている知識を他人に共有しただけのつもりでも、それは特別な経験をしたことによって得たずるいものと捉えられたのです。

ちょっとした言動から自慢に捉えられると、他の生徒は嫉妬などの負の感情を抱きます
嫉妬は、イジメにつながることがある事実をきちんと理解しておきましょう。

②空気が読めない

日本人は国民性でその場の雰囲気を察すること、いわゆる空気を読むことに長けています。
学校に通う日本生徒は日常から無意識に空気を読んでいます。

★日本生徒が学校で空気を読むシーン
・静かなところでは静かにする
・先生の授業は質問されてから答える
・男子グループと女子グループがあり、グループの邪魔をしない


その反面、海外生活が長い帰国生は空気を読むことが苦手です。
なぜなら海外では空気を読む生徒が少なく、空気を読む経験をすることが少ないからです。
例えばアメリカではさまざまな国籍の人が一緒に住んでいます。
基本空気はまず主張が激しい人が多かったです。

★アメリカでの空気を読まない人の例
・静かな場所でも大きな声で話し出す
・授業中に急に踊り出す
・列があるのに当たり前に割り込む


上記のように主張が強い人が多く、自分の個性を前に出す文化なのです。
日本では主張をする人が煙たがられる傾向にあります。

もし帰国生が少しでも目立つような行動をしてしまった時、集団から浮いてしまいます。
少しでも浮いてしまうと、村八分=イジメに発展するのです。

妹の経験|イジメ始められたきっかけ

元を辿れば、私の妹は空気を読めなかったことからイジメが始まりました。

アメリカの学校では男子も女子は皆友達なので、コミュニケーションを男女問わずによく取ります。

アメリカで長年過ごした妹が帰国したのは、ちょうど日本では男子と女子がほとんど会話をしない中学生の頃でした。
妹はそんなことお構いなしに、早くクラスのみんなと仲良くなりたい一心で積極的に男子にも挨拶やコミュニケーションを取りにいったのです。

それが日本では大きな間違いでした。
妹の行動はスクールカースト上位にいた、女子グループに目をつけられてしまったのです。
「あの子は男好きだ、近づかないほうが良い」
「誰にでも愛想を振りまいて人を騙そうとしている」

「ちょっとかわいいからって調子に乗ってる」

根も葉もない噂が広まりクラスで孤立してしまいました。
初めはチヤホヤしていた男子グループでさえ、一緒になって私の妹を村八分にしました。
なぜなら参加しないと自分たちも村八分にされかねないからです。

結局イジメは激化してしまい、先生の仲裁むなしく妹は中学卒業まで嫌味や陰湿なイジメを受け続けました。

妹は高校に上がってようやくイジメられることがなくなりました
理由としては、男女がある程度コミュニケーションを取り出すので、そこまで神経質にならなくてよかったのと、中学の苦い経験から妹は空気を読むことを覚えたからです。

ちなみに私は男子校だったので、こうした男女絡みきっかけのトラブルはありませんでした(笑)

帰国生が空気を読めないのは当たり前です。
しかし、少しでも個性や主張を感じられるとイジメに発展しやすいので注意が必要です。
クラスによって空気が違うので、空気を読む練習も兼ねて慣れるまではなるべく大人しくするよう子供に促しましょう。

③先生を敵に回す

先生いざイジメやそれに近しいことが発生した際に、仲裁をして助けてくれる存在です。
そんな先生に対して、帰国生は気づかずうちに、反抗的な態度を取っていることがあります。

先生を敵に回してしまうといざと言う時に助けてもらえなくなったり、「帰国生側も悪いから仕方ない」と真剣に取り合ってくれなくなってしまう可能性があります。

それはこのような行動です。

★先生に反抗的な態度と取られなかねない行動例
①先生の英語を小馬鹿にする
②授業中に自分の意見を話し出す
③間違いを認めない
それぞれ詳しく見ていきましょう。

①先生の英語を小馬鹿にする

日本の英語教師の中には、「英語がペラペラに話せる」ということが英語教師になる条件でなかった年代の人が中にはいます。

このような先生は、英語の発音が完璧でないことがあります。
クラスメートに、「英語の先生なのに、英語の発音がおかしい」と言われたら先生はどんな気持ちになるでしょうか。
それを聞いたクラスメートはどう思うでしょうか。「調子に乗ってる」と思われるかもしれません。

先生は「自分を小馬鹿にする嫌いなタイプの生徒」という印象を持つでしょう。

また、日本の英語教育では教科書に沿った英語を教えることがほとんどです。

「こんな言い回しはアメリカでは使わない」
「こんな単語は使わない」
「こんな文法は向こうでは役に立たない」

などと意見をしてしまうことがあり、これもまた教師やクラスメートの反感を買ってしまうので注意が必要です。
指摘をしたい気持ちはわかりますが、そこはグッと堪えて意見を求められた時のみ発言をさせるようにしましょう。
また、発言をするときも日本の英語を否定をするような発言は控えさせるようにしましょう。

②授業中に自分の意見を話し出す

海外の授業は少人数で受けることが多いので、ディスカッション形式で行うことがあります。
その反面、日本の授業は大人数で受けるため、ディスカッションはほぼありません。
もし帰国生が授業中に聞かれてもいないのに自分の意見を持ち出したらどうでしょうか。

先生は授業を妨げられていると思われかねないですよね。
クラスメートからも、いちいち授業を止めてくる人と思われるかもしれません。

どうしても意見を交換したい場合は授業終わりにするよう心がけさせましょう。

③間違いを認めない

特にアメリカでは、生徒が教師に間違いをしてきされると言い訳や反論をすることが多いです。
そしてアメリカでは、子供だから仕方ないと容認されることが多く、その辺りは非常に寛容です。

しかし、日本で先生に同じ態度を取るとどうでしょう。

叱られていることや間違いを指摘されていることに対して反論をしてしまうと、
火種があっという間に燃え広がってしまいます。

間違いを指摘されたら素直に謝る姿勢が大事なことを伝えましょう。

先生も人間です。反抗的な態度をしていると捉えられると、いざという時に助けてもらえません。
先生には謙虚な姿勢で接するよう子供に促しましょう。

帰国子女のいじめのは親が予防できる

帰国生がいじめられるキッカケは大まかに3つの原因があるという話をしました。
おそらく保護者からすると、「え?そんな当たり前のこと?」と思うかもしれません。

しかし、帰国生が仲間はずれやイジメられる主たる原因であることは間違いありません。

そして一番恐ろしいのは、帰国生の親が常識なことであっても、帰国生本人からすると常識ではない可能性が高いです。
そのため、親がはっきりと入学前に伝えてあげることが大事です。

親子間の会話をしっかりと行い、子供に日本の文化との相違点を教えてあげることでいじめの予防をすることができるのです。

・自慢だと思われる言動は慎むこと
・日本では「出る杭」を快く思う人は少ないので数週間は慎重に過ごすこと
・先生やクラスメートには謙虚な姿勢でいること


この3つを事前に詳しく伝えてあげるようにしましょう。

まとめ|帰国子女とその親へ

いかがでしたか。
ここまで記載してきたことをまとめると、基本的に日本の学校生活では空気が読めるまでは目立つなということです。
そして絶対に勘違いをしてほしくないのは、帰国生を否定しているわけではないということです。

私も元帰国生であり、海外経験をしてきた私を誇りに思っています
海外の生活では文化の違いから辛い経験をしてきた帰国生がほとんどです。

初めは英語が下手くそでアメリカ人に馬鹿にされました。
それでも英語を勉強しながら友達を作り大変ながらも乗り越えてきました。
親もそんな我が子を見守るのが大変だったと思います。

すでに辛い経験をしている帰国生とその親に帰国してきてまで辛い思いをしてほしくないのです。
いじめが一度始まってしまうと帰国生本人も親も大きく体力と精神を消耗します。
日本の新しい生活に順応するだけでも精神力が必要なので、ポキッと折れてしまうことがあります。

日本と海外の文化の細かい相違点を十分理解した上で慎重に行動をしましょう。

個性を潰せと言っているわけではありません。
あくまでも順応していくという意味です。

大丈夫です。帰国生の素晴らしい個性は消えることはありません。
私も個性を最大に活かし今は外資系企業の管理職として働いています。
長い人生で個性を活かす機会と場所はたくさん出現します。

慌てずゆっくりと日本の文化に慣れて理解をすることから始めてみてくださいね。

元帰国生から愛を込めて。

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